インソールを入れる前に、足の悩みと骨盤・股関節の関係を考えるコラムのアイキャッチ

ちょっと待って、インソールを入れる前に

足の悩みと骨盤・股関節の関係

「歩くと足裏が疲れる」
「扁平足が気になっている」
「靴を買い替えても、足の違和感が続いている」

こうした悩みがあると、自分に合うインソールやシューズを探したくなると思います。

ただ、その前に一度確認していただきたいことがあります。

なぜ、その足に負担がかかっているのでしょうか。

足そのものの働きに課題があるのか。それとも、腰椎・骨盤・股関節からの影響が関わっているのか。必要な対応は、その背景によって変わります。

京都・烏丸御池のα Personal Training LABでは、足元だけでなく、身体全体の動きを評価したうえで運動をご提案しています。

この記事では、インソールを検討する前に知っておきたい、足と身体のつながり、そして当店が運動指導で大切にしている考え方をお伝えします。

1.足の悩みは、足だけで起きているとは限らない

立つ・歩く・しゃがむとき、足・膝・股関節・骨盤は、それぞれが関わりながら動いています。この動きのつながりを「運動連鎖」と呼びます。

つながりには、足元から膝や股関節へ影響する「上行性」と、骨盤や股関節から足元へ影響する「下降性」があります。

足元から骨盤への上行性と、骨盤・股関節から足元への下降性の運動連鎖を示す図
足元から上へ、骨盤・股関節から足元へ。身体の動きは、両方向のつながりから確認します。

そのため、足元に気になる動きがあっても、足だけが原因とは限りません。骨盤や股関節の動きに対応した結果が、足元に表れている可能性も考える必要があります。

例えば、片脚で身体を支える場面では、足部の働きだけでなく、骨盤や股関節をどのようにコントロールしているかも確認します。

足の形を見ることと、なぜその足の使い方になっているかを考えることは、別の作業なのです。

2.当店が腰椎・骨盤・股関節を重視する理由

私は運動指導の基本として、身体の中心に近い「近位関節」を重視しています。特に、腰椎・骨盤・股関節をひとつのまとまりとして確認します。

足元の状態を変えようとする前に、その上にある身体を、どのように支え、動かしているかを把握したいからです。

評価では、例えば次のような点を確認します。

  • 腰椎・骨盤・股関節に、動きにくい方向がないか
  • 片脚で支えるとき、骨盤や体幹をどう保っているか
  • しゃがむとき、股関節・膝・足元がどう連動するか
  • 動作に合わせて、足裏のどこに体重をかけているか
片脚スクワット中の骨盤の傾き、膝の動く方向、足元の支え方を確認する評価イメージ
片脚スクワットでは、骨盤・膝・足元の動きをあわせて確認します。イラストは評価のイメージです。

足のアーチだけを見て、必要な運動を決めることはしません。静止した姿勢に加えて、実際に動いたときの変化を確認します。

もちろん、足部や足首へのアプローチを優先するケースもあります。近位を重視しながらも、評価をもとに、その方に必要な順序を考えることが当店の方針です。

当店でどのような身体評価を行っているかは、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

関連記事:[身体評価について]近日公開予定

3.インソールで支えることと、自分で動きを調整すること

インソールには、足を支えたり、足裏への負担のかかり方を変えたりする役割があります。

一方、道具に支えられた状態と、自分の筋肉や感覚を使って身体を調整できる状態は、同じではありません。

歩くときには、体重の移動に合わせて必要な筋肉を働かせ、関節の動きを調整しています。この働きを「モーターコントロール」といいます。

インソールが筋肉の働きに影響する可能性は、研究でも報告されています[1]。ただし、筋活動が変わることだけで、本人に必要な動作のコントロールまで十分に身についたとは判断できません。

当店では、外から支える方法を考えると同時に、自分で身体を支え、動きを調整する力にも取り組むことを大切にしています。

そのため、足の悩みに対して、最初からインソールを最善策と決めることには慎重です。まずは、運動で取り組める課題を確認します。

4.足元の動きだけを変える前に、その理由を確認する

足の内側に大きく体重がかかる、片脚になると足元が大きく動く。こうした様子を見ると、その動きを止めたくなるかもしれません。

しかし、その動きが、ほかの部分の動きにくさや支えにくさを補っている可能性もあります。

私が気をつけているのは、身体を補っている動きだけに介入し、その背景にある課題を残してしまうことです。

足元を変える場合も、腰椎・骨盤・股関節を含め、身体全体がその変化にどう対応するかを確認したいと考えています。

これは「インソールを使うと別の場所が悪くなる」という意味ではありません。足元の見た目だけを目標にせず、歩きやすさや症状、身体全体の動きまで見て判断するということです。

5.足趾の運動だけでは、取り組みきれないことがある

足の悩みを調べると、足指を動かす体操や、足裏の筋肉を鍛える運動が紹介されています。

足部の働きに取り組むことは大切です。しかし、下降性の連鎖が関わっている場合、足趾だけを動かしても、足元に負担が集まる身体の使い方が残る可能性があります。

足で起きていることへの運動と、足に影響している腰椎・骨盤・股関節への運動を組み合わせる。

これが、当店で重視している視点です。

具体的には、評価に応じて、腰椎・骨盤・股関節の位置関係を調整する運動、必要な方向への動きを引き出す運動、片脚で身体を支える練習などを組み合わせます。

目指すのは、骨盤をひとつの「正しい位置」に固定することではありません。動作に合わせて関節の位置と動きを自分で調整し、身体を支えられるようにすることです。

全身の運動を組み合わせる視点は、研究でも検討されています

柔軟性のある扁平足の方52人を対象にした研究では、足部の運動にお尻の筋力トレーニングやストレッチなどを組み合わせた6週間のプログラムにより、比較群よりも足のアーチに関する測定値が改善しました[2]。

ただし、複数の運動を組み合わせた研究なので、「股関節への運動だけが効果を生んだ」「骨盤や腰椎から始めれば誰でも改善する」とまではいえません。また、足の形の測定値が変わることと、痛みが改善することは区別が必要です。

当店では、こうした研究も参考にしながら、足部だけに限定せず、身体全体から必要な運動を選ぶという方針で指導しています。

自分に必要な運動を、評価から選ぶ

足部への運動を優先するのか。先に腰椎・骨盤・股関節の状態を整えるのか。両方をどう組み合わせるのか。

その判断には、足の見た目だけでなく、身体全体が動く様子を確認する必要があります。

当店では、評価をもとに運動を選び、実施前後の動きや感覚の変化を確認しながら内容を調整します。

自宅で行う運動を増やす前に、「自分はどこから取り組む必要があるのか」を整理する。

足元だけに取り組んでも変化を感じにくかった方に、お伝えしたいことです。

6.インソールを検討している方へ

インソールが役立つ場面はあります。例えば、足底腱膜炎を対象とした2023年の診療ガイドラインでは、インソールの単独使用は推奨されず、ほかの対応と組み合わせる選択肢が示されています[3]。

これは足の悩みすべてに当てはまる推奨ではありませんが、「道具を入れたら終わり」と考えず、必要な対応を組み合わせる視点は大切です。

相談するときには、次の点を整理しておくと、困っている状況を伝えやすくなります。

  • 歩き始めに痛むのか、長く歩くと疲れるのか
  • 片足だけなのか、両足なのか
  • 靴によって変わるのか、裸足でも気になるのか
  • これまで、どのような対応を試してきたか

痛みが続いている場合は、まず医療機関で原因を確認することも大切です。そのうえで、身体の動かし方に取り組める課題があれば、運動も選択肢になります。

京都・烏丸御池で、足元と身体全体の動きを見直したい方へ

「インソールを購入する前に、身体の動きを確認したい」

「足の体操だけでなく、骨盤や股関節も含めて取り組みたい」

「靴を変えても気になるので、自分の身体の使い方を知りたい」

α Personal Training LABでは、足部・足首から腰椎・骨盤・股関節までの状態と、身体を支える動作を確認し、一人ひとりに合わせた運動をご提案します。

足元に何を足すかを考える前に、どこから身体の動きを見直す必要があるのか、一緒に確認してみませんか。

京都市中京区、烏丸御池駅から徒歩1分。初回体験では、足元の気になることや、これまで試してきたこともお聞かせください。

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※当店の運動指導は、医療機関での診断・治療に代わるものではありません。強い痛み、腫れ、しびれ、体重をかけられない症状がある場合は、医療機関にご相談ください。処方されたインソールを使用している方は、自己判断で中止せず、処方元にご相談ください。

この記事を書いた人

丹下 翔太

・ボディメイク・姿勢改善・リハビリ・スポーツパフォーマンス指導

・α Personal Training LAB 代表

・NSCA認定パーソナルトレーナー

・AZCARE Master Provider

・Synthesis認定ピラティス

・BPA認定パフォーマンススペシャリスト

α Personal Training LAB代表 丹下翔太

店舗情報

α Personal Training LAB

〒604-8136
京都府京都市中京区梅忠町20-1
烏丸アネックス3F

営業時間

  • 平日10:00〜22:00
  • 土日10:00〜19:00
  • 定休日 毎週火曜日

参考文献

[1]Reeves J, et al. A systematic review of the effect of footwear, foot orthoses and taping on lower limb muscle activity during walking and running. Prosthetics and Orthotics International. 2019;43(6):576–596. doi:10.1177/0309364619870666.

論文情報を見る(英語)

[2]Brijwasi T, Borkar P. A comprehensive exercise program improves foot alignment in people with flexible flat foot: a randomised trial. Journal of Physiotherapy. 2023;69(1):42–46. doi:10.1016/j.jphys.2022.11.011.

論文情報を見る(英語)

[3]Koc TA Jr, et al. Heel Pain – Plantar Fasciitis: Revision 2023. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. 2023;53(12)–CPG39. doi:10.2519/jospt.2023.0303.

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